前回まで、
①では「メンテナンス時期」
②では「今安い工事が一番得とは限らない」
という話を書いてきました。
では実際に、自分の家はどう考えればいいのか。
私は、メンテナンスを考えるときに、
「今する」
「少し待つ」
「まとめる」
「分ける」
この4つを考えるようにしています。
どれが正解ということではありません。
建物の状態と、これから何年住むのかによって答えは変わります。
今する方がいい場合
例えば、雨漏りにつながる可能性が高い部分や、すでに劣化が進んでいるところ。
こうした部分まで「まだ大丈夫だろう」と先延ばしすると、予定していたメンテナンスでは済まなくなることがあります。
①でも書きましたが、雨漏りが始まるとメンテナンス計画が総崩れになることがあります。
ですから、
今やらないことで、後から工事が大きくなる可能性が高い場合は、今する。
これは比較的分かりやすい判断です。
まだ待てるなら、待つ
反対に、築年数だけを見るとメンテナンス時期に入っていても、実際に確認するとまだ状態が良い建物もあります。
そういう場合は、
「この状態なら、もう少し延命できる可能性が高いので、数年先にしましょう」
とお伝えすることもあります。
工事を早くすれば安心、という考え方もあります。
ただ、まだ使えるものを早く工事することが、20〜30年で考えて本当に得なのか。
私はそこも考えます。
使える期間はできるだけ使う。
これも立派なメンテナンス計画だと思っています。
まとめた方がいい場合
屋根と外壁のメンテナンス時期が近い場合は、一緒に施工した方がいいことがあります。
| 今の状態 | 考え方 |
| 屋根は今がメンテナンス時期 | 今回施工を検討 |
| 外壁も数年以内に工事が必要になりそう | 同時施工も検討 |
| 雨樋や付帯部にも劣化がある | 足場がある間に施工するか検討 |
屋根と外壁を別々に工事すると、そのたびに足場が必要になる場合があります。
数年しか時期が違わないのであれば、一度にまとめた方が結果的に費用を抑えられることもあります。
ただ、ここで大切なのは、
「足場があるから全部やりましょう」ではない
ということです。

分けた方がいい場合もあります
例えば屋根は今工事が必要だけれど、外壁はまだ10年近く使えそう。
この場合、足場代だけを理由に外壁まで工事するのが本当に得なのかは考える必要があります。
使える外壁を10年早く工事すれば、その分、次のメンテナンス時期も早く来ます。
ですから、
まとめることで得になる部分と、まだ触らない方が得な部分を分けて考える。
ここが大切です。
20〜30年で見ると判断が変わります
例えば、単純なモデルですが、
| 選択 | 今回 | 数年後 | 20〜30年で考えること |
| 今まとめる | 屋根+外壁 | 大きな工事を減らせる可能性 | 足場や工事回数を抑えられるか |
| 今回は分ける | 必要な部分だけ | 残りを後で施工 | まだ使える期間を有効に使えるか |
| 少し待つ | 点検・部分補修 | 数年後にまとめる | 雨漏りリスクなく延命できるか |
実際には建物ごとに状態が違いますから、この表どおりにはいきません。
ただ、私はこういう考え方で、
今回の工事だけではなく、その次の工事まで考える
ようにしています。

あと何年住むのかも大切です
ここは②ともつながります。
これから30年住む家と、10年後に建て替える予定の家では、同じ工事をする必要はありません。
長く住むのであれば耐久性を優先する意味があります。
一方で、建て替えまでの期間を維持できればいいのであれば、必要なところだけを直してつなぐという考え方もあります。
建物だけを見て、一番長持ちする工事を選べばいいわけではありません。
これからその家をどう使うのか。
そこまで含めて考えることが、20〜30年で見るメンテナンスだと思っています。
私が大切にしていること
メンテナンスに、すべての家に当てはまる正解はありません。
今工事した方がいい家もあれば、数年待った方がいい家もあります。
屋根と外壁をまとめた方がいい場合もあれば、分けた方がいい場合もあります。
だからこそ、最初から工事を決めるのではなく、まず今の状態を確認する。
そのうえで、
今するのか。
待つのか。
まとめるのか。
分けるのか。
を考える。
嵯峨野ワークスでは、この考え方で20〜30年先を見ながらメンテナンスをご提案しています。
関連記事
① メンテナンス時期の考え方
② 「今安い工事」が一番得とは限らない
工事を決めるその前に
屋根や外壁の工事は、金額や工法だけで決めるものではありません。
工事を決める前に知っておいていただきたいことをまとめています。

