先日より着工いたしました、京都市下京区S社様の雨漏り改修工事。今回は、塗装工程の中でも特に重要な「下地処理」について、詳しくご報告させていただきます。この下地処理こそが、建物の耐久性を大きく左右する、まさに「見えない部分のプロの技」なんです。
なぜ下地処理が重要?ひび割れと雨漏りを防ぐ「コーキング処理」と「マスチック塗装」の秘密
S社様の外壁は、経年によるひび割れが多く見られました。今回の雨漏りも、既存の防水部だけでなく、こうしたひび割れからの水の侵入も考えられます。
そのため、私たちは塗装工事に先立ち、まずは徹底した「コーキング処理」を行い、さらに下塗りには「マスチック塗装」を採用しました。
コーキング処理の重要性
コーキング(シーリング)処理とは、外壁のひび割れや目地、サッシ周りなどの隙間を、弾力性のある充填材で埋める作業です。建物は常に微細な動きをしており、ひび割れや隙間から雨水が侵入するリスクが伴います。このコーキング処理を行うことで、
- 雨水の侵入を徹底的に防止: 隙間を密閉し、建物の内部への水の浸入を防ぎます。
- 建物の動きへの追従性: 弾力性があるため、建物のわずかな動きにも追従し、ひび割れの再発を抑制します。
- 美観の維持: 隙間を埋めることで、見た目も美しく仕上がります。


マスチック塗装とは?
コーキング処理で隙間を塞いだ後、下塗りにはマスチック塗装を行いました。
一般的な下塗りとは異なり、専用のローラーや刷毛を使い、塗料を厚く塗布する工法です。これにより、以下のようなメリットがあります。
- ひび割れを効果的にカバー: 細かいひび割れや下地の不陸(凹凸)をしっかりと覆い隠し平滑な下地を作ります。
- 塗膜の厚みと耐久性の向上: 厚い塗膜が形成されることで、上塗り塗料の性能を最大限に引き出し、外壁全体の耐久性を飛躍的に高めます。
- 防水性の強化: 下地が強化されることで、雨水が侵入しにくい、より強固な外壁になります。
徹底した下地処理の流れ|長寿命な建物づくりの基盤
私たちが今回の工事で特にこだわったのは、この徹底した下地処理です。どんなに高品質な塗料を使っても、下地が不十分ではその性能を発揮できません。
S社様には安心して長くお住まいいただくため、以下の工程を丁寧に実施しました。
- 高圧洗浄: 長年の汚れ、カビ、コケなどを高圧洗浄で徹底的に除去。塗料の密着性を高めます。
- ひび割れ補修・コーキング処理: 外壁のひび割れの状況を細かく確認し、必要に応じVカット・Uカット処理を行った後、専用の**コーキング材(シーリング材)**を充填し、水の浸入を物理的にシャットアウトします 。既存のコーキング材を撤去し、打ち替えを行いました。この工程が、雨漏り対策の要となります。
- マスチック塗装(下塗り): 上記でご紹介したマスチック塗装を行い、下地の状態を最適化し、強固な基盤を形成しました。 これらの丁寧な下地処理こそが、雨漏りの再発を防ぎ、建物の寿命を延ばすための私たちのこだわりです。目には見えにくい部分ですが、この積み重ねが、お客様の大切な建物を守ることに繋がると信じています。
今後の工事にご期待ください!
徹底した下地処理が完了し、この後は中塗り、上塗りと進み、美しい外壁が完成します。S社様の建物が、より安全で快適な空間となるよう、引き続き職人一同、心を込めて作業を進めてまいります。