ご相談内容
「雨樋が外れてしまったので見てほしい」とご相談をいただきました。


現地へお伺いし、雨樋はその日のうちに修繕対応いたしました。
あわせて建物全体を点検したところ、外壁に複数のひび割れが見られたため、お客様へ現状をご説明しました。
現地調査で確認したこと
外壁のひび割れを詳しく確認したところ、縦約900mm、横約1,800mmの一定間隔で発生していました。



このことから、塗膜だけの劣化ではなく、外壁下地の継ぎ手部分の動きによって発生したひび割れと判断しました。
また、建物4面のうち1面は隣家との距離が非常に狭く、全面を同じ方法で施工することが難しい状況でした。
さらに北面には横方向のひび割れが確認できましたが、建物には幕板が多く取り付けられていたため、新たに幕板を設置してひび割れを覆うことで、防水性を高める方法もご提案できると判断しました。



ご提案内容
まずは外壁塗装のお見積りをご提出しました。
その後、お打ち合わせの中で、
「長く安心できる方法も比較してみたい」
とのご希望があり、外壁塗装だけでなく、外壁重ね張り(カバー工法)についてもお見積りをご用意しました。
それぞれの工法について、
メリット・デメリット
費用
耐久性
今後のメンテナンス
を比較しながらご説明しました。
判断のポイント
今回の建物では、下地の動きによるひび割れと考えられたため、再発リスクをできるだけ抑えるのであれば、外壁重ね張りが有効と考えました。
一方で、重ね張りは工事費用が大きくなることや、お客様の今後のお住まいのご予定も踏まえる必要がありました。
そのため、
外壁塗装では将来的に同じ位置へひび割れが再発する可能性があること
重ね張りではそのリスクを軽減できること
それぞれを率直にお伝えしたうえで、ご家族でご検討いただきました。
工事内容
比較・ご検討いただいた結果、今回は外壁塗装を選択されました。
今回の工事では、外壁のひび割れについて一つひとつ状態を確認したうえで補修を行いました。
ひび割れ部分には、シーリング材を刷り込んで隙間を充填し、その上からひび割れへの追従性を高めるため、マスチック工法による下塗りを採用しています。一般的な下塗りよりも塗膜に厚みを持たせることで、ひび割れへの追従性と耐久性の向上を図りました。



また、北面で確認された横方向のひび割れについては、新たに幕板を設置し、ひび割れを覆うことで防水性と美観の向上を図っています。




さらに、幕板上部はシーリング処理だけに頼るのではなく、雨水を適切に排水する取合水切板金を新たに設置しました。板金と外壁の取合い部分にもシーリング処理を施すことで、シールだけに依存しない納まりとし、防水性と耐久性の向上を図っています。
そのほか、高圧洗浄、下塗り・中塗り・上塗りの3工程による外壁塗装を行い、付帯部についてもあわせて塗装を実施しました。
建物全体の状態を踏まえ、必要な箇所にはしっかりと手をかけ、不要な工事は行わない。そうした考えのもと、費用と耐久性のバランスを考えた施工を行いました。


外壁工事には、「この工法が絶対に正解」という答えはありません。
建物の状態、今後何年お住まいになるか、ご予算などによって、最適な選択は変わります。
嵯峨野ワークスでは、一つの工法をおすすめするのではなく、建物の状態を確認し、それぞれのメリット・デメリットをお伝えしたうえで、お客様ご自身が納得して判断できるようお手伝いしています。
代表 浦谷より
建物にとっての正解と、お客様にとっての正解は必ずしも同じではありません。
建物だけを見れば、外壁重ね張りという選択もありました。
しかし、工事は建物だけで決めるものではありません。
これから何年お住まいになるのか、ご予算をどう考えるのかによって、お客様にとって最適な選択は変わります。
今回は、それぞれの工法のメリットだけでなく、将来的なリスクも率直にお伝えしました。そのうえで、お客様ご自身に比較・検討していただき、塗装という選択をされました。
私は、「この工法が一番です」と決めつけることはしません。
建物の状態と、お客様のこれからの暮らし。その両方を考えながら、一緒に答えを見つけていくことを大切にしています。
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